接続詞を意識してる?美しい文章を書くライターを目指せる一冊

接続詞を意識してる?美しい文章を書くライターを目指せる一冊

同じ言葉でも、文章と会話の最大の違いは何でしょうか。それは、文章は文字だけで言葉を伝える方法であるのに対し、会話では身振り手振り、声のトーンにボリュームなど言葉を伝える方法がいくらでもあるということです。

つまり、文字でしか表現できない文章では美しくきれいに言葉を伝えることをライターは心がける必要があります。そこで、うっかりと抜けがちな注意点を克服するために『文章は接続詞で決まる』という一冊をライター志望者にはおすすめします。

ライター初心者が抜けがちな接続詞

ライター初心者は、ネットや書籍でキャリアのあるライターが書いた文章と自分の文章を比較してみましょう。すると、多くの人が「自分にも同等の文章が書ける」とは思わないはずです。むしろ、「自分には文才が無いのではないか」と落ち込む人のほうがはるかに多いでしょう。

しかし、実のところある程度日本語を操れる人であれば、プロと初心者の間に絶対的な文章力の差があることは少ないのです。語彙の豊富さや専門的知識を除けば、意外にプロでも基礎的な文法しか使っていないことが分かるでしょう。それでは、何がプロと初心者の差になっているのでしょうか。それが接続詞の存在です。文章と文章をつなぎ合わせ、話の展開を行うために欠かせない接続詞、プロは豊富な接続詞を的確に操り、文章にメリハリを持たせます。

一方、初心者の文章には接続詞への意識が足りないので文章が全体的に平坦となってしまい、面白味も読みやすさもないと思われがちです。つまり、文章で稼ごうと思うなら正しく有効的に接続詞を使って読者の興味を惹きつけることが求められます。本書は初心者が苦手としている接続詞の重要性と、使い方の例を教えてくれる本なのです。

接続詞の適切な使い方を覚えよう

接続詞があると文章が読みやすくなる理由、それは読者に「文章の展開を予測させる」ことができるからです。たとえば、「しかし」という逆接の接続詞があります。これは、前の文章とは反対の論旨を展開するときに使う接続詞です。「しかし」が登場すれば、読者は「今から反対の論旨が始まるのだな」と予測し、文章を読解していくので誤読が少なくなります。

そのため、論文などではあえて自分の言いたいことの反対意見から開始して、きりのいいところで「しかし」を登場させ、本当に自分の言いたいことを綴っていくというテクニックが頻繁に用いられます。「しかし」を適切に使えるようになるだけで、文章に深みが出るということがよく分かるでしょう。

また、逆接の接続詞は「しかし」だけでなく、「だが」、「ところが」など数多く存在します。全てが微妙に意味と用法が異なる接続詞なので、意識的に使い分けると文章の精度は上がっていきます。本書ではライター初心者が見逃して過ごしてきた接続詞についての知識を平易な文章と分かりやすい解説で教えてくれます。本書を読み終えると、ライターとして確実にステップアップができるはずです。

プロは内容と文章力を両立させる

「細かいことはいいから面白い文章ならそれでいいじゃないか」と思う人もいるでしょう。また、現実にベストセラーの中には接続詞をさほど意識せずに書かれた書籍も存在します。しかし、それらの本はあくまでも題材や著者に大きな需要があるから受け入れられているのです。ライター初心者で知名度も低い段階では、内容はもちろんですが、しっかりとした文章を書けることを編集部にアピールして、さまざまな仕事を受注できるようにしましょう。それに、ライターを名乗っている人の中でも接続詞の概念を正しく理解している人はそれほど多くありません。即ち、接続詞を操れるライターは業界内で飛びぬけた存在になることが十分に可能なのです。

今回紹介した本について

  1. 書籍名:文章は接続詞で決まる
  2. 著作者:石黒圭

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みんなの感想文

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  • ただ、接続詞を使えば良いのではなく、意識的に使い分けることでより良い文章となるんだなと思いました。ライターとして長く活躍するには、接続詞の使い方なども学んでおくのも良いのではないかと考えさせられました。
  • 始まりの部分がとても共感できました。文で伝えたいときと会話で伝えたいときとでは、どんなことを重視するとよいのかは違ってきます。なんとなく自分の中では分かっていたことでも、記事を読んで改めてそう思いました。特に、文で伝えたいときには接続詞を意識することはとても大切で、読みやすい文を書くためには必ず意識すべきだと思います。それに加えて、反語での表現や、体言止めといった、文章を書く上で大切な文法を学ぶことで、より読みやすい、美しい文章になっていくのだと感じました。
  • 逆説の接続詞である「しかし」「だが」「ところが」の意味や用法が微妙に違うということを初めて知りました。接続詞の有効な使い方が文章の質を上げ、そのことによって自分のライターとしての評価にもつながると思いました。
  • 接続詞が文章力に大きく影響しているとは思いませんでした。自分の書く文章では、似た意味の接続詞の使い分けをほとんど意識したことが無かったので、良い勉強になりました。才能だけでなく、少しの工夫で文章力を伸ばせるとわかったので、モチベーションが上がりました。
  • 私自身、この本の存在も無名のライターに必要なものは何かということも知りませんでした。接続詞の使い方の差で違いが出てくるというアドバイスはとても参考になりました。はじめの第一歩として、こちらの本を早速参考にしたいと思います。
  • 文章を読み手に伝えるうえでカギとなるのが「接続詞の適切な使い方」であるということが伝わってきました。自分自身を振り返ってみて、文章を書くときに接続詞を文章の展開を予測させる言葉であると意識して用いたことはなかったです。今までは意図せず用いてきた接続詞をこれからは、自分の望む展開に合わせて意図して用いていきたいです。
  • 接続語を使う事で、次の文章の内容を読者に予想させ、読みやすくさせるというテクニックは、知らず知らずのうちに日本語を使っている中で大事な要素であることが分かりました。接続語を使う事で読み手に分かりやすい印象を与えることを改めて知ったので、これからは意識して接続語を言葉の中に取り入れていきたいと思います。勉強になりました。
  • 私はこの記事を読む前から、自分が接続詞を上手に使えないということが悩みでした。しかし、この記事を読んで接続詞をどのように自分で使いこなすのかが、キーになるということに気づきました。文章で伝える為には接続詞の果たす役割が大きいということを踏まえて、書くための腕を磨きたいです。
  • 確かにコラムだけでなく、いろいろな文章において接続詞があることで、読む側のリズムも作りやすいので読むのが楽になる気がします。また、接続詞はなかなか通常の会話で使用することが少ないので、この本をしっかり読んでみたいと思いました!
  • これまで接続詞について深く考えたことがなかったので、とてもいいきっかけになりました。接続詞を適切に用いることで、読者が理解しやすい文章になり精度がアップすることがわかりました。ライターを始めるにあたり、参考になると思います。
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