文章を書くのが好きなだけで、フリーライターを目指せるの?
ライターとして稼ぐ方法はさまざまです。書籍を出版して印税で生活している人もいれば、クラウドソーシングを利用してコツコツと稼いでいる人もいます。『「文章を書くことが好き」な「だけ」の人がフリーライターとして生きるために必要なこと』をおすすめする理由は、本書が純粋に文章を書くのが好きで、フリーライターを目指している人たちに厳しくもあたたかいエールを贈ってくれるような内容になっているからです。
フリーライターの現実を見つめる
フリーライターになりたい多くの人が「文章を書くのが好き」というスタートを切っているはずです。中には小学生のときに作文を褒められたり、大学生のときにレポートで優秀な評価を受けたり、そんな成功体験がフリーライターに向かわせた人もいるでしょう。そして、そんな人たちはフリーライターに大きな憧れを抱いています。
しかし、実際にフリーライターとして活動している著者は「文章が好きなだけではやっていけない仕事」とフリーライターを形容します。フリーライターとは自分の好きな文章を好きなように書いてお金をもらえる仕事ではなく、あくまでもクライアントの要請で読者のニーズを満たすために文章を書いているケースが大半だからです。フリーライターの立場から発せられるフリーライターの現実には強い説得力があります。副収入として少しだけ稼ぎたいだけならともかく、フリーライター一本で生きていくのは大変なことなのです。
そのうえで著者は、文章が好きでフリーライターになりたいという人たちの純粋なモチベーションに敬意を示し、フリーライターとして行き抜く為の考え方も授けてくれます。現実は冷静に見つめたうえで、覚悟を決めて業界に飛び込むことが大切だと教えてくれるのです。
フリーライターの生活が分かってくる
本書はよくある文章講座の類ではなく、フリーライターが自らの生活や思考法を公開することで、これからフリーライターを目指す人たちが参考にできるような構成になっています。本書に登場している多くの項目が、意外に知られてこなかったリアルな実態として、読者の胸に突き刺さるでしょう。
たとえば、クライアントとの打ち合わせから納品にいたるまでの流れです。打ち合わせではどんな話をしているのか、また、納品のときにはどんなフォーマットで提出しているのかなど、実用的な知識が続々と出てきます。本業ライターと副業ライターの心持ちの違いについても、読み飛ばせないところです。いかに本業ライターが意識を高く持たなければいけないかが理解できるでしょう。
ライター初心にとってうれしいのは、セルフマネジメント術や、スランプ脱出方法なども教えてくれるところです。フリーライターは上司や先輩といった、仕事を煽ってくれる存在がいないため自分で自分のモチベーションを上げる工夫が必要です。誰もが通る難関の対処法を、経験に基づいて紹介してくれるのが頼もしい限りです。
ライター一本で生活したい人へ
本書はフリーライター一本で生活したい人にこそ読んでほしい一冊です。最初は好きで始めた仕事でも、続けていくに従い現実とぶつかることがあります。気の進まない仕事をまわされたり、労力に見合わない報酬を提示されたり、辛いこともたくさんあるでしょう。しかし、あらかじめフリーライターの現実を知っておくことによって、いざ試練に遭遇しても冷静に対応することができるはずです。そして、単なる憧れではなく、自分の仕事としてフリーライターを捉えたときに、強い気持ちで仕事に当たれるようになるでしょう。好きで始めた仕事であれば、最後までやり抜きたいと誰もが思っているはずです。本書は厳しい現実と、それに立ち向かう心を同時に見せてくれています。
今回紹介した本について
- 書籍名:「文章を書くことが好き」な「だけ」の人がフリーライターとして生きるために必要なこと
- 著作者:ふりら
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みんなの感想文
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- 自分も、書くことが好きなので、副業として文章を書くことを始めました。でも、思っていたよりも難しく、ついつい自分の好きなテーマばかり選んでしまいます。本業として行うのであれば、文の量も質もかなり変わってくるので、本気でフリーライターになりたいなら、しっかりと知ってからの方がいいと思いました。
- フリーライターに憧れを持ちますが、それだけで生活できるのは少しの人だと思っています。つらいこともあると思いますが、文章を書くことが好きだからこそできる仕事です。紹介された本が自分にも参考になりそうなので、読んでみようと思います。
- 大変興味深い本なので、必ず読んでみます。自分は文章を書くのが好きなライター超初心者ですが、色々と今後に役立ちそうだと思いました。この本で、フリーライターとして生きていく上での困難をありのまま知りたいです。ライターはスキルを磨けば、大変誇れる仕事だと思いました。
- フリーライターを志し、実際にライターになった方の生の声はとても参考になったし、自分はまだまだプロ意識が足りないんだなと反省しました。紹介してくださった参考書籍など自分も購入してから勉強したいなと思います。
- 文章を書くのが好きなだけで、フリーライターを目指せるのと言われると、どきりとします。まさに私に向かって言われているように感じるからです。書くのが好きなだけでなく幅広い知識や忍耐力がないととても続かないと思いましたが、本物のライターになるためのアドバイスもあることを知り励まされました。
- フリーライターの仕事に関心のある人にとって、仕事上のメリットとデメリットが分かりやすい文章だと思いました。特に、ライターとして独立を目指すために抑えておきたいポイントについて、具体的に記されているところが良いと思います。
- フリーライターとして生きていくのは、半端な気持ちでは生活出来ないという事を理解出来たので良かったです。ライティングした文章が必ずしもお金になるとは限らないので、挫折も多い思いますが、やり甲斐のある仕事だと感じます。
- 今はまだ副業としてライターをしていますが、いつかはライター一本で生活したいと思っています。そうなると、セルフマネジメントとや、クライアントとのやり取りなど、覚えなければいけない事が多いんですよね。そういう事を学べる本という事で、すごく興味が湧きました。
- ライターの生き方は様々で、書籍として印税を生活費にしている人も居れば、クラウドソーシングを利用して案件を貰い文章を書いているライターも居るのだという事が理解出来たので良かったです。ライターとしての生き方が色々と学べる本だと思います。
- 私は今、会社員として働いています。私は、昔から文章を書くことが好きでした。そのため、会社員として働いている今もフリーライターに憧れを抱いています。しかし、会社を辞めてまでなりたいかというとそうではありません。しかしこの記事を読んで、フリーライターで食べていくことに対する憧れが強まりました。