ライターとして生きる「戦略」をこの一冊で学ぼう

ライターとして生きる「戦略」をこの一冊で学ぼう

ライターで稼ぐことは正直に言って大変です。しかし、それはライターが「稼げない」からではなく、「稼ぎ方が知られていない」からなのです。『ライター志望者が知っておくべきおカネのはなし―それでも文章を仕事にしたいあなたに現役ライターが伝えたいこと― 日本独立作家同盟セミナー講演録』は現役ライターとして成功している二人が、ライター志望者に向けて送るシビアな「稼ぎ方」についてのガイドブックです。

ライターで稼ぐさまざまな方法

ライターといえば、まず真っ先に連想するのは雑誌で記事を書いたり、インタビューを行ったりする仕事ではないでしょうか。確かに、それも立派なライターの仕事です。特定の媒体から定期的に仕事を受けて執筆する職業は「専属ライター」と呼ばれ、ある程度は安定した収入が見込めます。

「ある程度」と書いたのは、契約期間内という条件がつきまとうことで、本当にライターを続けていこうと考えるなら、一つの媒体に依存するのではなく、自分で仕事を次々に見つける手段を確保することが必要です。そこで、二人の著者はさまざまな分野のライター業を読者に紹介します。

たとえば、ブロガーもライターの形態の一つです。固定読者を獲得すれば、継続的に収入を得られるブロガーは極めて現代的なライターの生き方だといえるでしょう。近年ではwebライターも注目されるようになってきました。仕事をすぐに受注できて、数も多いwebライターは単価の安さこそネックですが、努力するだけ収入が増える仕事でもあります。

このように、本書を読むとライターとしての稼ぎ方は無数にあり、決して稼げない仕事ではないことが理解できるのです。

ライターは戦略を持って生きよう

多くの失敗するフリーライターに共通している傾向は、編集部から安い仕事ばかり任されて収入が増えず、あきらめてしまうことです。確かに、ライターの原稿料を安く設定している世の中にも問題があります。しかし、そんな安い仕事を引き受けてしまうからこそ前例を増やしてしまい、よりライターが稼ぎにくいシステムが固まっていくのです。

そこで著者達は「安い原稿料なら受けないほうが良い」と主張します。ライターとして生活するにはまず誇りを持つことが大切だと教えてくれるのです。

「何でもやります」という姿勢は大切ですが、逆をいえば「自分には特化した部分がない」とアピールしていることにもなりかねません。他の職業なら当然持っているであろうプライドと戦略を、フリーライター志望者もまた抱いて仕事をしましょう。

それは編集部との契約にも現れます。書籍を刊行する機会があったならたとえ僅かでも印税契約を結ぶことを著者達はおすすめしています。自分の作品に対して相応の対価を求める、当然の権利を当然として主張することでフリーライターの地位は高まり、収入が増えていくのです。

ライターにはすぐなれる、怖れないことが大切

ライターになるためには新人賞に入選したり、編集部と長期契約を結んだりしなければいけないと誤解している人は大勢います。しかし、ライターとは自分で名乗ったらその日からライターなのです。後は、自分自身の生活を見つめ直し、戦略的に仕事を受けていくことで成功への足場は固まっていきます。

どんな仕事でも、出世までの階段は一歩一歩進んでいくものですが、ライターでもそれは変わりません。違っているのは、会社員なら会社が出世へのレールをひいてくれるところを、ライターは自分でレールを考えなければいけないという点です。成功したライター二人がライター志望者にガイドする「成功へのレール」は説得力に満ちており、これから業界に足を踏み入れるための勇気を与えてくれるでしょう。

今回紹介した本について(電子書籍)

  1. 書籍名:ライター志望者が知っておくべきおカネのはなし―それでも文章を仕事にしたいあなたに現役ライターが伝えたいこと― 日本独立作家同盟セミナー講演録
  2. 著作者:古田靖、鷹野凌

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みんなの感想文

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  • webライターがきちんと戦略を持って仕事をするという意識は確かに大切だなと感じました。自分自身もライティングをするに当たって責任感を持ち、将来のことや金銭的な面を考えていくことを大事にしていきたいです。
  • とりあえずライターになってみたのですが、正直なところ将来が非常に心配に思っています。そこでこの記事を読んだのですが、やはりライターとして生き残るためには戦略が必要になるのですね。紹介されている本を読んでしっかりと将来を考えていこうと思います。
  • 単価が安すぎる仕事を受けて前例を作ってはいけない、という点が特に印象に残りました。依頼者側に、次回もこの値段でも受けてくれる、と思われるのはフリーライターとしてはよくないことで、仕事はある程度選ばなければならないのだとわかりました。
  • 漠然と捉えられがちな「ライター」という職業について紐解いているだけでなく、それを志す人の具体的な指標となる事が豊富に盛り込まれていて大変参考になりました。お金や仕事の受注と言った話は濁されがちですがスッパリと言い切っているのでライター志望なら必見です。
  • いろいろな事情から在宅ワークを考えていた自分には非常に参考になる一冊なのではないかなあと思いました。在宅ライターにもいろいろな種類があること、どのように稼いでいくのが良いのか、など気になる内容が盛り込まれているようなので、早速、購入して学んでみたいと思います。
  • ライターは誰でもすぐになることが出来る職業ですが、やはり将来的に生き残るためには戦略的に仕事を展開していく必要があるのだな、と感じました。誰でも出来る仕事だからこそ独自の戦略を持つことは大切になるのだと思います。
  • ライターで大きく稼ぐのは大変ですが、ライターには稼ぎ方が無数にあるので、無理をして新人賞に入選するまで頑張ったり編集部と長期契約を結ぶ必要はないのがよくわかりました。自分で成功のレールを考える事が大切ですので、自分もそうしようと思います。
  • 自分の価値を自分で決めて、自分を売り込む。簡単に始められるライターの仕事だからこそ、どうやって長く続けるかを考えるのは大事ですよね。改めて、今後魅力的なライターになれるかどうかを考え、自分を信じ、能力を高めていきたいです。
  • 私は未だに自分がどんな分野が得意なのか、特に知識が多いのかよくわからないのですが、それではいけないのかな、と記事を読んでそう感じました。自分がどんなライターになりたいのか、ちゃんと考えてみようと思います。
  • 今までただ書いていけば、慣れのようなものによって、文章も上達するのではないかと勝手に思い込んでいたところがありました。たくさんの本を読んだり、旅行等の体験を通して書くだけではなく、他の仕事をしてきたようなプライドも大切であることを知りました。
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