文章力を身につけるための読書のコツ

文章力はライターとして生き残るための命綱だと言っても過言ではありません。
記事を書く時に分からないことがあっても調べれば済みますが、読者をひきつける文章というものは一朝一夕で身につけられるものではないからです。
文章力を養う手段は、読書と執筆を繰り返すことに尽きます。

それでは、どのような本を読めば、文章を書く力がアップするのでしょうか?
その点について検討をしてみます。

文章力を高めるには量に勝る読書なし

まず、結論めいたことを先に行ってしまえば、何を読むかよりはどれだけ読むかが重要です。
もちろん、斜め読みして量だけ稼いだのでは意味がありませんが、読書が習慣化している人はそれだけでかなりの文章力を身につけています。

英語を習得するのに、授業で系統立てて学ぶより、英語を母国語としている国で日常的にその言葉に耳を傾けていた方が上達が早いのと同じ理屈です。
文章を読むことが常態化している人は、特に学習を積まなくても文章の良し悪しが自然と分かるようになります。

その結果、自分で文章を書いた時も、言い回しが変な場合は自分でそのおかしさに気がつき、すぐに書き直すことができるのです。
とは言っても、今まで読書の習慣がない人が、いきなり経験を積み上げようとしてもかなりの時間が必要となります。なるべく短期間で文章力を上げようとするならば、文章読本の類を読み込むのが一番でしょう。

自分に合った文章読本を選ぶ大切さ

文章が上手くなる秘訣を書いた書籍は、古今東西色々なものがあります。
サラリーマンを対象としたちょっとしたビジネス書やノーベル文学賞を受賞した大作家の手によるものまでさまざまです。

しかし、ここでひとつ気をつけてほしいことがあります。有名な作家の書いた文章読本だからといって、著者のネームバリューに釣られて飛びつかないでほしいということです。
確かに、大作家の手による文章解説の内容は素晴らしいものがあります。

しかし、問題はそれが自分のレベルに合っているかどうかです。
まずは、立ち読みなり、図書館で読んでみるなりして内容をさらりと確認してみましょう。
書いていることが腑に落ちるならばよし、逆に、ちょっと難しいなと感じたならばあなたにはまだ早すぎるということです。

読む本が決まれば、とにかく熟読しましょう。
気になる部分には赤線を引き、記事を執筆する際には、その部分を意識しながら書いてみることが上達の早道です。

ただ、文章力を磨くのに一冊だけの文章読本に頼るのは避けてください。
文章は数学のようにきっちりと決まった方程式ではなく、もっと揺らぎの大きな生き物のような存在です。ひとつの指南書に盲目的に従えば、そこに偏りが生じ、文章の持つ豊かな表現力が阻害されてしまいます。
それに、いくら優れた著者が書いたものであっても文章は時代と共に変化するので、ひと昔前の文章読本などはさすがに、現状にそぐわない部分が出てくるのです。

したがって、ある程度その本の内容を理解したならば、次の本を探し、重層的に学習を積むことが大切になってきます。

好きこそものの上手なれ

文章読本の他には、どんなジャンルでもよいので、夢中になれる本を見つけることも大切です。
人間、お気に入りの本に出会えば、当然、熟読をしますし、何度も読み返すことも苦痛に感じないでしょう。
その集中力があれば、それだけ、その文章のよさを吸収しやすくなります。

さらに、特に気にいった個所などはノートに書き写してみるのも効果的です。
自分の手を動かすことで、次第にその文章のリズムや表現方法などが理解できるようになってきます。
好きこそ物の上手なれという言葉があるように、自分の好きな本をうまく教材として利用すればそれだけ上達も早くなるでしょう。

 

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みんなの感想文

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  • 自分の文章のつたなさに悩んでいましたが、改めて本を読むことが大事なんだと気づくことができました。本を読むことが少なくなっていたので、まずは自分の好きだった作家の本を読んでみようかと思います。文章読本も、きちんと読んで勉強しようと思います。
  • 何となく読書をしていたのですが、文章力をアップさせるためには、気になる部分をチェックしながら読むという方法もあるのですね。文章量と本の読み方…どちらもバランスよくこなすことで、文章力が上がることが分かりました。
  • ライターとして活躍するなら、ブラインドタッチのスピードは勿論のこと、文書力が最も大切と痛感しています。見聞を広げ、幅広い知識を蓄えるにはできるだけだくさんの本を読むべきという点は納得です。とくに自分が読んで楽しいと思える本をライター視点で読むことが為になりそうです。
  • 興味のある書籍を選んで読んでいたため、文章読本という読み方をすることを初めて知りました!そういう風に意識して読んだことがないため、たくさん読めるかどうか分かりませんが、自分の好きな作家さんがそのような本を執筆していれば、それから読むと習慣づくかもしれません。選ぶ本のタイプも広がるし、楽しみながら読みたいと思います。
  • 読書って大切なんですね。私もどちらかといえば読む方ですが、これからはこういう言い回しがあるんだ、こんな表現があるんだ、と意識して文章をおっていきたいと思います。また、書き起こすことも語彙力を高めるという事におどろきました。
  • ライティングに必要な文章力の身につけ方を知りたかったので、とても参考になる内容でした。文章力を身につけるためにはとにかくたくさんの本を読むことが大切ということが分かりました。自分のレベルにあった本を少しずつでも読んでいきたいと思います。
  • 確かに、小説は作家のクセがありますから、そればかり読むのは避けたいと思います。私は新聞が好きでよく読んでいます。学生の頃から、日経・某全国紙・某地方紙の3紙を必ず読んでいました。現在は仕事が忙しく日経しか読んでいません。しかしこの度地方紙に転職が決まりましたので、思う存分新聞が読めます。早く力をつけてライターとして活躍したいと思います。
  • ライティング技術向上のためには読書が必須というアドバイスはよく見かけます。しかし、この方な記事では気になった箇所には線を引き、ノートに書き写してみるなど、具体的な方法が記載されているので、説得力のある記事だと感じました。
  • 文章力を上げるには、読書量が大切で自分のレベルに合った様々なジャンルを読むのが良いというのはこれまで読んだネットでの記事などから既に知っていたのであまり参考にはなりませんでした。具体的にどのジャンルがどのような人にお薦めなのか書いてあれば、より興味がそそられたと思います。
  • 文章を作成していて思うのは、やはり好きだからこそ続けることが出来るということです。読書については好きな作家のものに偏りがちなので、出来る限り多くのジャンルの作品を読んでいきたいと思いました。読書量も大事なのですね。
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