取材記事の書き方とリライト作業をマスターしよう

取材記事の書き方とリライト作業をマスターしよう

フリーライターとして活動していると、取材記事を依頼されることもあれば、リライト作業を依頼されることもあります。しかし、業界のなかではこれらの定義が曖昧で、戸惑うフリーライターも多いのではないでしょうか。

フリーライターとして継続した仕事を求めるのであれば、両者の意味を正しく理解して文章力を上げていくことが大切です。ここでは、取材記事の書き方とリライトの方法について簡単に説明していきます。

取材記事とリライトの特徴とは?

取材記事とはその名の通り、取材が発生する記事のことです。何かのイベントや団体について調査をし、記事にまとめることが主な仕事内容になります。取材の意味するところは幅広く、一般的なイメージでいえばお祭りやセミナーなどのイベントを体験して、情報収集することでしょう。

しかし、個人にインタビューを行うことも立派な取材ですし、記事の対象となる本やCDを鑑賞したりすることも、取材に含まれることがあります。取材は『実際に記事を書くために必要とされる体験を行うこと』ともいえるでしょう。

対して、リライトというのは、誰かが書いた記事を書き直す作業になります。この場合、取材が発生することはほとんどないといえます。リライトで求められていることは、あくまでも文章の修正なので、記事の概要や企画にまで修正を加えることは求められないのです。

取材記事の書き方のほうが難しく手間がかかるように思えますが、好きな分野の奥底まで体感できるためにやりがいを抱くことはできます。リライト作業は家にいるだけでできるので、簡単そうなイメージがありますが、正確無比な文章力が求められるうえ、自分の主張を文章に込められないストレスが生じることもあります。

取材記事を書くときに気をつけること

取材記事の書き方として、まず注意したいことは、取材の事前準備を怠らないことです。事前にどんな流れで取材を行うのか徹底的にシミュレーションを行い、スケジュールに落とし込んでいきます。現地の交通経路を確認したり、複数の場所を回るときには、アポイントメントを取り付けたりすることも必須でしょう。インタビューが発生する場合は、あらかじめ質問を表にしておくと、当日にパニックになることを防げます。

次に、取材の計画が見えてきたら必要な物を揃えることです。カメラやICレコーダー、メモ帳などは、どんな取材でも不可欠なアイテムですが、取材場所に合った服装や移動手段も考慮するべきでしょう。

実際に取材を行ったら、収集した情報をまとめる作業に入ります。このときに気をつけたいのは、全ての情報を記事にできるわけではないということです。情報を取捨選択してテーマを絞らなければ、焦点のぶれた記事になってしまいます。

取材の苦労や対象への思い入れがあると、情報を捨てる判断は難しいものですが、ときには感情とは別に記事を構成する冷静さも必要です。そして、核となる情報が見極められたところで文章を形にし、取材記事は完成となります。

リライトをするときに気をつけること

取材記事は、誰かの体験をもとに書いた文章や写真の集合体なので、ときには過剰な思い入れが込められていることもありえます。それが記事の良さにつながっているのなら問題ないのですが、ときには冷静さを欠いたように見える記事が納品されることもあります。

中立的な視点から記事を軌道修正するために、取材現場に居合わせなかったライターが、リライト作業を依頼されるケースが出てきます。このリライト作業で気をつけたいのは、文章を修正しても記事の根幹となるテーマや主張は曲げないことです。

記事のテーマは現場を知っているからこそ、浮かび上がってくるものです。たとえ、リライト作業者の主張とは違うものだとしても、実際に現場を知っている人間の声を優先させる意識を持ちましょう。そして、文章をどのように直したら、よりテーマが読者をひきつけるようになるのかを考えると、上手にリライトが行えます。

リライト作業は誤字脱字を修正することもあれば、構成を整えて記事を見やすくすることもあります。文体を読者層に合わせて変えていくのも、リライト作業のひとつです。『読者にとってどう見えるか』を、客観的視点から判断するのがリライト作業者には求められる意識です。

苦手な分野がないことが良いフリーライターの条件

生身の体験ができる取材記事が好きなフリーライターもいれば、第3者的な立場で冷静に文章を修正するリライトが好きなフリーライターもいます。しかし、特に活動初期のライターは選り好みせずに、依頼された仕事は引き受けるようにするといいでしょう。それは単にお金を稼ぐだけの目的ではなく、ライターとしての成長につながるからです。

取材記事を経験することによって取材者の気持ちが分かり、リライト作業にも熱が入るようになります。リライト作業を経験することで客観性を取り入れ、取材だけでなく記事の執筆も上達します。苦手分野をなくすことが仕事のふり幅を大きくし、有能なフリーライターへの道となるのです。

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みんなの感想文

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  • リライト作業をしたことがあるからこそ読みやすい取材記事ができ、取材記事を作成したことがあるからこそリライト作業を全力で取り組めるということが分かりました。ライターとして長く活動をしていくためにも様々な分野に果敢に挑戦し、文章力を上げていきたいです。
  • 今までリライトの仕事の重要性についてよく知らなかったので、大変参考になりました。取材記事の仕事とリライトの仕事ではそれぞれ大切にしなければならないことが違うのですね。取材記事は自分の気持ちを自分の言葉で伝えられるけれど、リライトは記事を書いた人の気持ちに寄り添うことが大事なのですね。
  • 私もライティングの仕事をしていますが、取材を必要とするような本格的な案件はやったことがないので、こんな世界もあるんだなと思いながら読みました。いずれ私もこのような仕事をしてみたいと思います。その際はこの記事を参考にして取材に挑んでみます。
  • 今までリライト作業の仕事はしたことがありませんでした。誤字脱字くらいならば修正できると思うのですが、文章表現があまり得意ではないので、気後れがしてしまっていたのです。この記事を読んで、活動を始めたばかりのライターですので、何にでも挑戦してみようと思いました。
  • 取材記事を書く場合に必要な準備事項やリライト作業の心構えが分かり易く説明されていて、参考になりました。また、初心者ライターは仕事をえり好みせず、何でも引き受けることが成長に繋がるという発想はとても大事なことだと思いました。
  • 取材記事の書き方とリトライの方法についての説明は、興味深かったです。取材対象への情熱と、公平で冷静な視点を持ち合わせることが、よいライターの資質の一つであると感じました。文章や構成も大変簡潔かつわかりやすく、とても参考になりました。
  • 楽しそうな取材記事ですが、苦労して手に入れた情報の取捨選択は非常に難しいものだと思います。一方、人の記事がベースとなるリライト作業は、客観的に文章構成を整えていく能力が必要なんですね。どちらの作業も選り好みせず、何でもチャレンジしてライターとしての経験値を高めることが大事なんだと感じました。
  • 私は最近ライターになったばかりで、リライトというのがどうもよくわからなかったのですが、この記事を読んでスッキリしました。リライト案件が上手にできるようになると、仕事の範囲が広がると思うので、これから訓練していきたいです。
  • 取材記事とリライト作業についてよくわかる記事でした。取材記事はイメージしていた通りで、事前の取材準備と文章をまとめる能力が必要になります。リライト作業は、文章修正作業がメインで、単に文章の修正だけではなくテーマを変更することなく読み手を引きつける技術が求められる高度な仕事であることがわかりました。
  • この記事を通じてリライト作業の大切さを改めて知ることができました。心に残ったのはライターとしての成長は苦手分野を無くすことで、私も今後は苦手な分野にも食わず嫌いしないで、挑戦してみたいなと思いました。
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