ドキッ!とさせれば勝ち?段落の小見出しが命!元漫画原作者が語る目を引く文章の書き方

ドキッ!とさせれば勝ち?段落の小見出しが命!元漫画原作者が語る目を引く文章の書き方

皆さんは、駅の売店やコンビニで、「女優Aと歌手Bの熱愛発覚」や「大物俳優に大麻疑惑」などと書かれたスポーツ新聞の見出しを見て、思わず足を止めたという経験はありませんか。

それらの記事は、大抵の場合は、ただの憶測や出所がハッキリしない、半分デマのようなものも実際にはあり、慌てて新聞を買って読んだ挙句、だまされた気分を味わうことになることも少なくありません。

しかし、無数の情報が飛び交う現代社会においては、一瞬で目を引く工夫をしなければ、どんなに優れた内容の記事を書いても、誰にも読んで貰えず埋もれてしまうことになりかねません。

ましてや、web上の記事の場合、SNSやゲームのちょっとしたすき間時間に、目を通してもらう気になるような見出しをつけることは、読んでもらうための絶対条件といっても、過言ではないでしょう。

新連載漫画の1ページ目がお手本!目を引く文章の書き方

筆者は、以前漫画の原作者をしていましたが、編集者から「新連載の最初の1ページ目、最初の1コマ目が全て!」と、何度も口うるさく言われました。連載が続いていて、読者が毎週読んでくれている作品と異なり、新連載を読んで貰えるかどうかのカギとなるのは、第1印象、つまりは最初のページ、最初のコマです。読者にオッ!と思ってもらえる「何か」がなければ、内容そのものがどんなに面白かったとしても、読み飛ばされてしまいますし、1話目を読んでもらえなければ、当然その次も読んでもらえません。

この場合の「何か」とは、作品の世界観や主人公となるキャラを読者に一目でわかってもらう工夫であり、漫画家の多くはそこに心血を注ぐことになります。

web記事も、ある意味、新連載の漫画と同じです。最初に目に入るタイトルや段落の見出しで、これから読んで貰う記事の内容はもちろん、書き手であるあなたの情報も盛り込むなどして興味を引くことが、記事を書くうえで最も大事なポイントになります。

また、タイトルや見出しは文章の方向性や流れを示すものなので、それらをうまく付けることができれば、その後の文章にも自然と勢いが生まれ、自信を持って書く事ができます。

小見出しで「結論」を明示!読者に安心感を

世の中には、前置きが長くもったいぶってなかなか本題に入らない人がいますが、web記事でそんな書き方をしていたら、読者はすぐに飽きてゲームやSNSに戻ってしまいます。「結論」はいってみれば「商品の中身」と同じです。自分が何を買おうとしているか知らずに商品を買う人はいません。

映画を見たり小説や漫画を買ったりする場合、大抵はくわしいストーリー自体は知らなくても、少なくともホラーなのかアクションなのか、それともラブコメディなのか、あるいは作者や監督、主な出演者が誰なのかを知ったうえで決めます。

つまり「これは、アクション俳優のAが主演の映画だから、必ず最後はAが悪を倒して終わる」「この作家の小説は必ず最後にどんでん返しがある」などといった具合に、あらかじめ、大まかな「結論」を知って安心しながら、そこに至るまでのお話を楽しむためにお金を出すわけです。web記事も同じです。段落の小見出しで、読者の興味を引く「結論」をはっきりと示しておいて、そこに至る過程をいかに楽しんで読んでもらうかが、ライターの腕の見せ所です。

「日常生活」が修行の場!誰もが身近に感じられる例えを考えて

web記事の読者は、性別も年齢も仕事もさまざまです。特定の年代の人や特別な業界の人にしかわからない例を挙げても、ほかの人には伝わりません。

だからといって、具体的な例示をせずに、ただ、ひたすら抽象的な言葉や専門用語を並べるだけの記事にも、説得力はありません。営業マンや学校の先生といった、人に何かを説明するプロの中で一流と呼ばれる人達の共通点は、説明する相手に応じて的確な例えを選ぶ能力を持っていることです。

筆者が以前にお会いしたある物理学者の方は「本当に理解できていることなら、小学生にも説明できなければならない」と言っていましたが、ライターも同じです。日常生活のなかで「もし、これを小学生に説明するとしたら、どんな表現にして、どんな例を挙げればわかってもらえるか」を考えてみて下さい。試してもらえばわかりますが、最初はどうやって説明すればよいか、見当もつかないものがいくらでもあります。

しかし、それをあえて説明できるように頭を悩ますことで、自分自身もその事に対する理解が深まるとともに、どんな読者にもわかりやすく読んで貰える表現力を身につけることができるようになります。

最後はしばらく寝かせて。自分が「読者」になって読み返す

最後に、そうやって苦労を重ねて満足のいく文章を書き終えても、すぐに送ったりせずに、数時間は寝かせましょう。そして、その間にほかの人の文章を読んで頭を冷してから、改めてひとりの「読者」として、自分の書いた文章を読み返してみましょう。書いている時には気が付かなかった欠点が、必ず見つかるはずです。

また、その際ほかのライターさんの「名文」と自分の文章を比べることで、急に自信を失い落ち込むことにもなるかもしれません。しかし、そうやって常に書き手であるのと同時に読者でもあることで、より読者の目線に立った、読者が求める記事を書く感覚を身に付けることができます。また、それができることが、ほかの媒体にはないwebライティングの醍醐味なのではないでしょうか。

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みんなの感想文

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  • 同じ内容の文章であっても、小見出しや段落・改行などを利用して見やすいレイアウトにすることは大切だと知りました。そしてこれからは自分が読者の立場になって、「どんな文章なら読みたくなるか」という視点で読み返すようにしようと思いました。
  • いつもクオリティの高い記事を書くように心掛けています。そしてクオリティの高い記事を書くというのは、読者の目線で書くということではないでしょうか。読者が求めている内容の記事が書けているかどうか、読者のためになる記事が書けているかどうか。とても大事な要素ですね。
  • 文章を書く時のお手本として漫画が例に挙げられたのは意外性を感じました。読者の注意を引くためには最初にどのような表現を持ってくるかが肝心だと改めて認識しました。また、書いた文章を自分で読み返す事は基本ですが「時間が経ってから読み返す」という作業はしていませんでした。時間に追われている時は難しそうです。
  • 読み手にドキッとさせるような文章を書くコツが、こちらの記事に詳しく書かれていました。やはりweb記事でも、こういう部分は新聞の見出しと似た部分がありますね。読書に安心感を与える意味でも本題には早めに入るのも大切なのがよくわかります。
  • 文章を作成する際に、小見出しが指定されているものが苦手でした。しかし、小見出しは読み手にわかりやすく段落の結論を示しているということがとても納得できました。読者に楽しんで読んでもらえるような文章を書きたいです!
  • 漫画原作者からの視点で、目を引く文章について書いてあり、自分にとってはとても新鮮で参考になりました。小見出しで結論を示したり、身近な具体例を示すというテクニックについてはさっそく使ってみようと思います。
  • 最初に結論を持ってくる文章の書き方は非常に有名ですが、思い返せばあまり意識的に使うことはなかったように感じました。読者にとっては結論がはじめに書かれているのは非常に読みやすいようなので、意識して使って行きたいと思います。
  • 実際にライターの仕事をしていて小見出しを考える機会はたくさんありますが、自己流なのでなかなか上手くいかない場合も多々あるので、どうすれば魅力的な小見出しが書けるかというテーマはとても参考になりました。記事には例も盛り込まれていて、読んでいてわかりやすかったです。
  • 元漫画家ならではの視点で書かれているのかなと期待したのですが、実際は普通のベテランライターさんでも書けそうな内容ばかりでした。少し文章が長く感じました。あと、最後の見出しに「数時間寝かせてから送信」と書いてありますが、サグーワークスのレギュラーでは記事を寝かせるのは無理ではないかなと思いました。
  • タイトルや見出しをつけることに苦手意識があるため、期待して読みましたが、私自身が普段から考えていることしか書かれていませんでした。私の経験が少ないことからイメージができなかったのだと思いますが、たとえば「結論の示し方」など、記事の内容を実践するための具体的な方法を教えてもらいたかったです。
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