良い文章にするには“優しさ”がカギ!? 読み手に合わせる努力を

良い文章にするには“優しさ”がカギ!? 読み手に合わせる努力を

サグーワークスでは法律分野やIT分野など、専門的な記事の執筆を依頼されることがあります。一文字あたりの単価が高いので、「書いてみたい!」と思っている方も多いでしょう。

そこで、今回は専門的な記事を書く際の注意点について、「専門用語を用いるべきか」というテーマでお話しさせていただきます。

専門用語の有無によって文章の印象は大きく異なる!

まずは、次のふたつの文章をご覧ください。いずれも正当防衛という同じ概念について書いているのに、専門用語の有無によって雰囲気が随分と変わることをお分かりいただけるでしょう(わかりやすくするために、専門用語は太字にしています)。


急迫不正の侵害が認められるとき、人はその侵害に対し、自己の権利又は他人の権利を防衛するため、必要最小限度の防衛行為を行うことができる。これを正当防衛(刑法36条1項)という。ためという文言から、防衛の意思が必要と解されているが、これは単に侵害を認識し、これを避けようとする意思を意味し、防衛の目的までは不要だと解されている。

ある会社員の男性X(50代、格闘家としての活動経験なし)が道を歩いていると、突然目の前から体格のいい20代の男性Yが殴りかかってきた。このとき、Yからの攻撃を認識したXとしては、これを避けるため反対に殴り返してもよい。これは適法な行為として刑法上認められている(「正当防衛」、(刑法36条1項))。
違法な加害行為に遭遇したとき、私たちは不正に屈することなく一定の範囲でなら反撃してもよい。もっとも、やりすぎてはならない。たとえば相手が気を失っているのに殴り続けることは違法である。

専門用語を使うべきか否かはココを見ればわかる!?

法律について少しでも学んだことのある方ならともかく、AよりもBの方が読みやすい、わかりやすいと感じた方が多かったのではないでしょうか?ほとんど知識のない方に興味を持っていただこうとするならBの方が適しています。

一方、資格試験対策などのための文章であって、読み手に概念を正確に把握・理解してもらいたいのであれば、Bの文章は避けるべきです。「Yからの攻撃を認識したXとしては、これを避けるため」という箇所が防衛の意思の説明にあたりますが、勉強を始めたばかりの段階の読み手は読み飛ばしてしまうでしょう。

このように専門用語を使うべきか否かは、想定読者やその記事の執筆目的によります。サグーワークスで記事を執筆する場合、ほとんどの案件で掲載サイトや想定読者に関する情報がもらえるので、それを参考にすると良いでしょう。

中学生に伝えるつもりで丁寧に!

専門用語を用いるときには、なるべく文章を短くするように意識してください。一般的にも長い文章はけんえんされますが、専門用語を用いた文章の場合、ますます混乱を招きかねません。ひとつの文章には基本的にひとつの専門用語を書くようにしましょう(既出のものを除く)。

また、専門的な文章を書く場合、ライターには専門的な知識があることが多いと思いますが、その分野に詳しい人が知識のない人に向けて説明する場合、より丁寧に説明しようと意識した方が良いでしょう。私もそうですが、自分の専門分野については何が難しいのかがよくわからなくなりがちです。このため、中学生に説明するようなつもりで書いてください。

こぶたのまとめ

専門用語を使うべき場合、使っても良い場合

  • 一定程度の知識がある方に向けて書く場合
  • その分野に関する知識を得たいと思っている方に向けて書く場合

専門用語を使わない方が良い場合

  • 興味を持ってもらうために記事の触りとして書く場合
  • 初学者に向けて書く場合

専門用語を書く場合には、文章を短くし、中学生に伝えるつもりで書いてください。

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みんなの感想文

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  • 専門的な記事を書く上で専門用語を使うのが当たり前だと思っていたので、そうではないことが分かり専門的な記事も書いてみたいと思いました。専門用語は想定読者により使い分けることが大切だと分かって良かったです。
  • 専門的な用語を使う場合は逆に読む側が敬遠したり、理解できない事態も発生するので、初見の方でもとにかく分かりやすい文章を書くように心がけたいと思いました。また用語の意味を決して間違えないように事前のチェックを怠らないようにしたいです。
  • 文章を書く際は出来る限り専門的な言葉を使って正確に書くべきだと思っていたのですが、むしろ分かりやすい言葉を使う方が読者にとっては親切であることが理解できました。文章によっては専門的な言葉を使う方が良いこともあるようなので、時と場合に応じて使い分けるようにしたいです。
  • 個人的には専門用語が多用されている文章は読みづらく感じ、どうしても必要な場合以外は専門用語を使うべきではないと思っていましたが、目的によっては使うべき場合もあるのですね。「中学生に伝えるつもりで」、というアドバイスはなるほど!と思いました。
  • 単に専門知識や用語を披露するだけでは読み手には伝わりにくいので、丁寧に分かりやすく文章を書く心構えを忘れないようにしたいと感じました。中学生でも理解できる文章という教えは今後の案件に取り入れていきたいです。
  • 良い文章を書く時には中学生にもわかるように書く事が大切なのがよくわかりました。専門的な文章を書く時でもなるべく文章を短くする事も知らなかったので、これからは専門的な文章を書く時も気をつけて書こうと思います。
  • とても参考になる記事でした。文面で専門用語を使うことは、読む側にとっては逆にわかりづらい内容になってしまうことを知りました。いかにシンプルに中学生が理解できるような文章を意識することで、情報を得たいと思う人達が読んでみたいと思う記事になるのだと思い、自分が記事を書くときにすごく参考になりました。
  • 自分は得意の分野で詳しいことは自分の書きたいように書いてしまい、読み手を無視して独りよがりになってしまう傾向があります。この記事を読んで読み手が誰かということを意識して書くことが大事であると改めて感じました。
  • 専門用語に関する文章は以前書いたことがあるのですが、専門用語はどの程度使っていいのか、判断に迷うことが多くありました。あまり丁寧すぎるとくどく感じるだろうかと思っていたのですが、思っていたより丁寧に書いた方がいいようだとわかりました。
  • 読みやすさはとても大事な要素だと思います。とても気をつけたいポイントだと心得たいです。読み手を意識して書くことによって、分かりやすい文章になると思うからです。このブログを読むことによって、ライターとして大切な点が分かりました。
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