海外でもマイナンバーは受け取れる？海外居住者にとって注意が必要なポイントとは

2015年10月にマイナンバーの発行が開始されました。日本国内に居住している場合は、指定の申し込み手順に従って進めればマイナンバーが発行されますが、海外に居住している場合はそう簡単にはいきません。今回は、海外在住日本人のマイナンバー作成時の問題点や注意点についてご紹介していきます。

マイナンバー作成には日本国内の住民票が必須！

マイナンバーを受け取るための通知カードは、住民票記載の住所に発送されます。そのため、日本国内に居住しておらず住民票がない方は、そもそもこの通知カードが発送されないため、マイナンバーを受け取ることはできないのです。

そのため、マイナンバーの通知が開始された2015年10月以降一度も日本国内に住民票を置いたことがない場合は、マイナンバーの作成はできません。帰国して国内に住民票を作成して、初めてマイナンバーを作成できるようになります。

マイナンバーが必要な手続きを行う場合は？

内閣官房HPに記載されている「マイナンバー（個人番号）に関する質問」を確認すると、マイナンバーの無い方がマイナンバーを必要とする手続き（社会保険等の特別加入など）を行う場合には、マイナンバー記入欄は空欄で記載とされています。行政関係の手続きに関しては、海外居住を理由にマイナンバーが無いことを説明すれば問題ありません。

問題なのは、銀行の口座開設などの民間企業関連の手続きをする場合。2018年から預金口座に対してマイナンバーが適応されるとのことですから、いずれはマイナンバーが無いと銀行口座を持てなくなる事態になりそうです。とはいえ、現状すでに海外居住者は日本の銀行で新規口座を開設できませんから、マイナンバーが適応になってもあまり変わらないかもしれません。

現状一番の問題は日本の口座からの海外送金を受けられないこと

マイナンバーの運用が開始された2016年1月1日より、100万円以上の金額を海外送金する際には「国外送金等調書」へのマイナンバーの記載が必須となっています。そのため、海外で得た収入を日本の自分の口座に送金しようとしても、マイナンバーを登録していないと送金できないのです。

ただこれは銀行により対応がバラバラで、地方銀行ではすでにマイナンバー無しでは受け付けてもらえませんが、新生銀行などは2018年まで経過処置扱いのため海外送金を受け付けてもらえます。
海外居住後は新規口座を開設できませんので、海外送金を受けとる必要のある方は海外転出前に海外送金可能な銀行口座を開設しておくと良いかもしれませんね。

海外居住者がマイナンバーを取得する方法

どうしてもマイナンバーが必要な場合、一時帰国の際に市区町村役場に転入届を提出し、通知カードを受け取ればマイナンバーの申請が可能になります。ただし、通知カードは転入届提出後から受け取るまでに3週間から1カ月程度かかる場合が多いようです。一時帰国は滞在期間も限られていますので、注意してくださいね。

マイナンバーカードを実際に受けとるためには本人が役所に行き引き換える必要がありますが、金融機関などにマイナンバーの登録をするだけなら、通知カードに記載されています。ただし、顔写真が入っていないため、通知カードを身分証明書として使用することはできません。

一時帰国時にマイナンバーを作成する際の注意点

一時帰国時に転入届を提出してマイナンバーを作成した際、出国前に海外転出届けを出しておかないと住民税の支払い義務が生じます。ただし通知カードを受け取る前に海外転出届けを出してしまうと、手続きがストップして通知カードが届かなくなってしまう可能性も。

一時帰国時にマイナンバーを作成するなら、滞在期間は最低でも1カ月程度は考えておくようにしてください。また、通知カードだけではなくマイナンバーカードの取得まで一気に済ませたい場合は2カ月ほど必要になりますので注意してくださいね。