書き手の自信のなさが文章に反映されていないかをチェック!「~かもしれません」の誤用と正しい使い方

書き手の自信のなさが文章に反映されていないかをチェック!「~かもしれません」の誤用と正しい使い方

ライターがweb記事を書く際に気をつけなければならないことのひとつに、「ですます」や「である」といった文末表現があります。これらの使い方によって文のリズムが決まってきます。リズムが悪いと文章の流れが滞り、読者に内容が伝わり難くなってしまうのです。文末の表現にも色々な種類がありますが、今回取り上げるのは「~かもしれません」という表現です。使い方が適切でない場合が多いので注意が必要です。

後ろ向きの予想を行う際に使用する文末表現

「~かもしれません」は基本的に低い可能性を示唆する表現です。「この宝くじは当たっているかもしれませんよ」といった具合です。逆に、可能性の高い予想の場合には「~でしょう」と表現するのが一般的です。

例文

× 降水確率が0%なので明日は晴れかもしれません。
○ 降水確率が0%なので明日は晴れでしょう。

また、確率が低くなくても、「降水確率が80%なので明日は雨かもしれません」などといったふうに、期待されていない悪い予想の時もしばしば用いられます。いずれにしても「~かもしれません」という言い回しにはあまりアクティブなイメージはなく、どちらかと言えば後ろ向きの表現です。

ところが、ライターが記事を書く際、この表現を誤って用いている場合があります。可能性の低い予想ではなく、単に自分の調べたことに自信がないから「~かもしれません」と書いてしまうケースです。これは本来の用法とは異なるので使用するべきではありません。「~かもしれません」という表現は自信のなさや断定をしたくないという心情を表すものではなく、あくまでも客観的な確率の低さを示すものでなくてはならないのです。

web記事にはふさわしくない曖昧表現

そもそも、web記事というのは、読者に対して分かりやすく明確に情報を伝えるのが最大の目的です。「~かもしれません」という曖昧な表現を多用すると記事そのものに説得力がなくなってしまいます。例えば、「以上のことを行えば、ダイエット効果があるかもしれません」などいう書きか方をされると、本当にこの記事を信用してもよいのかと不安になってしまいますよね。逆に言えば、そう表現せざるをえないような不確かな情報は書くべきではないのです。

未来に関する予想を表現する際は、「~でしょう」と書くのが一般的です。さきほどの例で言えば、「以上のことを行えば、ダイエット効果があるでしょう」になります。ただ、ダイエットには個人差があるのにそれでは断定しすぎだと思えば、「以上のことを行えばダイエット効果が期待できるでしょう」というふうに「期待」という言葉を入れてワンクッション置く手法もあります。

文章表現を柔らかくしたい時に有効な表現

web記事において多用は禁物の「~かもしれません」という表現ですが、全く使用してはいけないというわけではありません。ひとつには、悪い予想を行う場合です。例えば、読者に警告する意味で、「不規則な生活を続けていると生活習慣病になるでしょう」では断定的すぎ、読者に無用な不安感を煽ることになってしまいます。そこで、「不規則な生活を続けていると生活習慣病になってしまうかもしれません」と書き換えると表現がぐっと柔らかくなります。

他には、「このようなセンスを身につければ、男性にモテモテになるかもしれませんよ」といった軽口が許容される内容の記事であれば曖昧な表現を使用しても問題ありません。いずれにしても、web記事においては使いどころが難しい表現であることには違いないので、用いる際には慎重に検討し、多用は控えるべきす。

いかに歯切れの良い文章を書くかが重要なポイント

web記事は、いかに簡潔かつ明快に書くかが重要なポイントです。自信のなさそうな表現や回りくどい言い回しは、読者に警戒感を与えてしまいます。したがって、「~かもしれません」以外でも、自分の自信のなさが文章表現に現れていないかは十分チェックを行う必要があります。

こちらも合わあせて読みたい

単調で退屈な文章を回避するための語尾の工夫

こぶたのまとめ

「~かもしれません」の使い方

  • 可能性が低い場合や悪い予想に用いるのが一般的
  • 可能性が高い予想に対しては「~でしょう」を用いる
  • 単に、断言したくないからという理由で「~かもしれません」を使うのはNG
  • 悪い予想や軽口を言いたい時に表現を柔らかくする目的で用いるのであればOK

歯切れの良い記事を書くためにも曖昧表現の多用は避けましょう!

この記事をシェアする

みんなの感想文

この記事は役立ちましたか?
はい・・・10人 / いいえ・・・0人
  • 自分も「~かもしれません」という文法をよく使っていたのでこの記事を読んで苦笑いするばかりでした。確かに読み返すと歯切れの悪い感じがするので今後はこういった曖昧な表現は避けるように心がけていきたいなと思いました。
  • 記事を書くときの「~かもしれません」の適切な使い方がよく分かりました。記事を書く上で一番大事なのは、読み手の立場に立って書くことなのだなと思いました。今回読んだ記事を参考にして、これから記事作成のスキルをアップさせていきたいと思います。
  • 文章を書くうえで語尾をどうするかよく迷うことがあります。この記事の言う通り、私も「~かもしれません」は断言を避けたい時に使いがちですが、自信のない文章になりそうで、思いとどまるケースがよくあるので、この記事にはとても共感を覚えました。
  • 文章の表現一つで読み手の関心が薄れてしまう事がとても勉強になりました。ですます調でと言う記事を書く事が多いのですが、かもしれません。は使わないように気をつけたいと思います。読者に楽しんで読んでもらえる様に、記事を投稿する前に、声に出して確認していこうと思います。
  • 文章でネガティブなものは、あまり読み進める気持ちになりません。書き手も読み手の気持ちになって、読み手がどんどん読み進められるようなアクティブな表現を使うことを意識すると最後まで気持ち読んでもらえる文章になるということがわかりました。
  • 「〜かもしれません」は低い可能性を示唆する表現だけど、文章表現を柔らかくしたい時には有効な表現であることが分かりました。文末表現に「〜かもしれません」を使用する時は後ろ向きの表現になっていないか注意して使用したいと思います!
  • 「かもしれません」は良くないんだなと思いました。もしかしたら、使ったことがあるかもしれないので、これからは気を付けたいです。柔らかい言い回しを心掛けた方が良い、と言うのを学習しました。読んで良かった文章です。
  • ライティングをしているときには意識していませんが、確かに自信がない時に「かもしれません」を使ってしまっている気がします。どのようなときに使う表現なのか使いどころを間違えないように注意点もしっかり書いてあるので助かります。
  • ~かもしれませんというフレーズを過去に使用して一度ボツをいただいてから使用する事は控えてきました。でも確かに軽口のきける内容の記事や柔らかく終わらせたい記事だと、そんなフレーズの方が読者にとって良い場合もある事が知れて今後の参考になりました。
  • 「かもしれません」の誤用についてまとめられていましたが、まさしく私のことを指摘されているのかと思うほど、身に覚えがありました。自信のない内容に、曖昧さで誤魔化す表現として使うことは誤用であり、可能性が低い場合の表現として使うことが一般的ということを、今回初めて知りました。今後の文章作成に役立てたいと思います。
ページトップへ戻る