なぜ消費税を上げる?消費税に関する様々なお話

なぜ消費税を上げる?消費税に関する様々なお話

2017年に消費税が8%から10%に上がることになっています。かつては3%だった消費税が2桁の大台に乗ったことはある種の感慨深さを感じさせます。しかし、政治家にとって消費税の増税は非常に危うい決断であることは論じるまでもないでしょう。というのは、消費税増税を断行した場合、政治家にとって死活問題である支持率の急落は不可避だからです。しかし、それでも消費税の増税は行われます。それは一体なぜなのでしょうか?知っているようで意外と知らない、消費税についてまとめます。

平等なシステム?

消費税は、全国民に対して一律の税率でかかる、水平性のある税金だと言われています。これに対して、お給料などにかかる所得税は所得に応じて税金が異なってくる垂直性のある税金となります。所得税は多く稼いでいる人からは多く税金を集め、収入が少ない人からは納められる分だけ税金を集めるという性質を持つので、多くお金を稼いでいる人にとっては不公平だと感じられるものになります。ですが、消費税の場合はお金持ちであってもお金が少なくても等しい税率で税金を納めるので平等だと言えるでしょう。もっとも、逆進性と言われるように、税率が高くなれば高くなるほど収入の少ない人が苦しくなっていくという特徴もあるので、一概に平等である!とは言えないのが実情です。税金については担税力(どれだけ税金を負担する力があるか)に応じて最適な配分がされるのが理想なのですが、世界中でそれができずに政治家や学者がアイデアを生み出しては検証しているようです。

政治家はなぜ支持を失うのか?

消費税を上げると国民が不満を持つので支持率が下がる、と言う側面があるのも事実です。ですので、政治家にとっては職を失いかねない、いわば断腸の思いで決断していることが窺えます。消費税以外に税金を集めようと思った場合、会社にかける法人税や所得税といった税金がパイも大きいので、主たる財源となります。ですがそうした税金を納めるのは現役世代なのです。そして現役世代は既に社会保険料や年金といった重い負担を強いられているので、これ以上の負担は現実的ではないラインまで来ているとも言えます。そのため、現役世代ではなく他の世代にも相応の負担をしてもらうためには消費税が平等であり有効なのです。ただ、そうすると負担が増える現役世代以外からは不満が集まります。そしてその世代は選挙の際に投票活動を熱心に行う人が多いことで知られていますし、人口が多いのでその世代の不満を集めると政治家はあっという間に職を失いかねません。消費税を上げる決断をしたということは、その実は現役世代の負担を軽くしようという政治家の思いが隠れているといっても過言ではないのです。

軽減税率とは?

最近ニュースでも騒がれている軽減税率。これは消費税の逆進性を一部緩和するための方策です。具体的には、増税した後であっても食品や生活必需品に対する税率は消費税とは異なる税率にすることで負担を緩和しようとするものです。この軽減税率を導入すれば収入が少ない家庭であっても生活水準を現在並みに保つことが期待できるので困窮せずに済むことになります。そのため消費税の増税とともに議論されているのですが、現実問題として軽減税率が適用されるものとそうでないものの線引きやシステム上の問題など、課題は山積のようです。そのため、実現に向けてはまだまだ議論がなされていますが、少しでも国民の生活を良くしようという政治家の思いと現実の障害とのはざまで議論が遅々として進まないようにも感じられます。

優遇措置は必ずチェックしましょう

これまでの増税時にも、様々な優遇措置がなされてきました。住宅ローンや自動車など、生活に欠かせないものでありつつも高額なものに良く優遇措置が取られるイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。10%への増税に向けて、住宅ローンに関する優遇措置も始まっています。他にも優遇措置が取られるものはいろいろと考えられます。知らないでは済まされないこともありますので、きちんと情報収集を欠かさないのが生活防衛には大切だと言えるかもしれません。

こぶたのまとめ

  • 消費税は全世代に等しく課税できる平等なシステム
  • 国民にとっても政治家にとっても辛い決断とも言える増税
  • 増税対策として優遇措置のチェックはとても大切になる

消費税について理解を深めて、増税にきちんと備えましょう!

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みんなの感想文

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  • 消費税の仕組みがわかりやすく書かれていてとても参考になりました。消費税が上がるメカニズムやそれに対して生じる問題について詳しく知れてよかったです。また増税に向けた優遇措置について、今から自分でも調べてみようと思います。
  • 消費税を中心に、税制がわかりやすくまとめられていて、とても参考になりました。間接税である消費税、直接税である所得税の対比も簡潔に書かれていて、税金に対する認識が深まりました。政治家の増税に対するジレンマの話も興味深かったです。
  • 私自身も、結局のところ消費税は最も平等な納税システムかも知れないと思っていましたので、記事を拝読して大いにうなずくことができました。その分、所得税を下げたなら、買い物をしたい方が増えるかも知れません。
  • 消費税の疑問点をこのコラムを通じて改めて知ることができたので大変勉強になりました。また住宅ローンや自動車など様々なものに優遇措置が存在するということも初めて知り、しっかり把握して上手に付き合っていきたいなと思います。
  • 消費税などの税金に関しては「知っているようで知らない人」が多いかと思います。増税して喜ぶ人などいないのになぜ増税に踏み切るのか、全国民平等な税であるにしろやはり低所得者を中心に納得できない人も多くいるはずです。政治家も国民の負担を少しでも軽くしようと創意工夫している、それ相応のリスクを背負っているということをもっと広く伝えていくべきだと感じました。
  • 書き方が難しく、内容が頭に入ってきませんでした。私の知識不足なのかもしれませんが、表現方法が難しいし、専門的だなと感じました。よく知らない人にとってはとても読みにくい内容だったので、誰にでもわかるように書く必要があると思った。
  • 政治家が税金を引き上げることに不満をもっていましたが、実際は仕事を失う覚悟で現役世代の手助けをおこなってくれていたことに驚き、感謝の気持ちが少しわきました。今後は、優遇措置もしっかりチェックしていきたいです。
  • 今まで消費税が5%、8%と上がり、その税金で私達の生活がどう変わったのかが分からないから不満があるのかなって思います。10%に上がるのは仕方ないことなので、優遇措置などチェックして増税対策したいと思いました。
  • 消費税を上げられるととても苦しかったですが、優遇措置に関しては全くチェックをしていませんでした。自分の生活と家族の生活を守るためにも常日頃から情報収集をして、一家の主として責任をもって日々暮らしていこうと思いました。
  • 消費税は全世代に等しく課税できる平等な税金なので大切にしていきたいと考えさせられました。また立場によって税金には様々な軽減や優遇措置があるようなので最寄りの自治体としっかり把握して税金と上手に付き合いたいものです。
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