インタビュー取材をスムーズに進めるコツ3か条

インタビュアーとしても活動するライターにとって、インタビュイー(取材相手)から上手く話を訊き出すことはその後の原稿作りの最大のポイントといえます。そんなインタビュー取材をスムーズに進めるコツを教えます。

 その1:取材意図を良く把握しておこう

私の場合、まずどのような意図で今回のインタビューがセッティングされたのかを考えることから始めます。

例えば音楽系なら、ニュー・アルバムCDやDVD・ブルーレイなどの映像作品発売に向けてのプロモーションが多いですが、ときどきイベントの煽りをするためのインタビューや、アーティスト自身の歴史を網羅するようなインタビューもあります。そのときの状況をしっかりと把握することで取材対象が伝えたいことを引きだせるようにします。

準備段階で取材意図を理解しておかないと、相手の意に沿わないインタビューになってしまいますので気を付けましょう。

その2:相手の過去の活動を良く知っておく

どんなジャンルの取材においても、取材対象を良く知っておくことは、インタビューの基本中の基本と言えます。リアルタイムでおこなっている活動を知っておくことはもちろんのこと、出来る限り過去の活動や実績を知っておくことも大事です。

特にキャリアの長い人に対してはこれまでの活動でどのような経緯があって今に至るのかを知ることで、今の活動の思いを伺い知ることができます。例えば、ベテランのスポーツ選手をインタビューする場合、過去の実績を知っておくことは本人のプライドを満たす要素でもあります。但し、どんな人が相手でも、現在のこと、未来のことに焦点を絞った話になるように心がけましょう。人間、過去にどんな栄光があったとしても、今現在の自分に注目をしてほしいものです。大事なのはあくまでも“現在”だということを肝に命じておきましょう。

また、取材対象にとても興味がある場合、自分が知っていることを無理矢理話にねじ込もうとしてしまいがちですが、あくまでも相手が話したいことを中心に会話を組み立てるようにしましょう。

その3:その場の雰囲気に応じた対応をしよう

充分な準備をした上で臨んだインタビューでも、その場に行ったらまったく思いもよらぬ流れになってしまう場合もあります。

一番困ることは、こちらが用意してきた質問内容が、まったく相手にとって響かない時です。取材をされる側は、プロモーション期間で何回もインタビューを受けている場合もあります。そのため、同じ話を何度もしていてしゃべり飽きていることもあるのです。

例えば、私が実際に経験したインタビューでこんなことがありました。某ロックバンドのボーカリストがニュー・アルバムのインタビューを受けてくれたのですが、その日に取材が集中していたらしく、彼は朝からすでに5本ものインタビューを受けていました。そのせいか最初からちょっとお疲れ気味で表情も面倒臭そうでした。これだけはどうしても訊きたいという、作品にとって重要なキーとなる質問があったのですが、相手はその話題に飽きていたらしく、「いや、特に意図はありませんけどね」とあっさりと話を終わらせてしまいました。

こちらの取材の順番のせいで、同じ質問を何度もする羽目になってしまったわけですが、それが最初にわかっていたら質問内容を変えていたかもしれません。その後もなんとか話を盛り上げようとしたのですが、はっきり言ってその日のインタビューは当たり障りのないつまらないものになってしまいました。

その場のムードに応じて本人が話したいことを引き出すべきだったと言えるでしょう。もちろん、こんなときでも、どうしても訊きたいことがあれば、相手のご機嫌を多少損ねたとしても訊く勇気も必要です。

 経験が大事!どんなインタビューもトライして場数を踏もう

このように、インタビュー記事が面白くなるかどうかは取材現場で上手く行くかどうかにかかっています。そのためには、その場に応じてフレキシブルに対応できることが大事で、そういったことは場数を踏んでわかるようになることもあります。

インタビューをする機会に恵まれたら、自分の得手不得手は二の次で仕事を請けることをおすすめします。経験を積むことで、より良い取材がどんどんできるようになり、きっと読み応えのある記事がかけるライターになれるはずです。

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