工夫が大切!『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』
仕事をしていると、「当たり前のことができない」と気づかされる場合があります。上司が「できて当然」と思って頼んできた仕事をミスしたり、同じ間違いを繰り返したりして、周囲に迷惑をかけてしまうのです。そんな人は発達障害を抱えているのかもしれません。
ただし、発達障害の人は向き合い方次第で社会でも十分渡っていけます。ここでは、職場で違和感を抱いている人のために「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」を紹介します。
発達障害はダメじゃない!具体的な症状を知ろう
就職して初めて分かる発達障害の傾向
「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」を読むと、発達障害を抱えた人の特徴がまず分かります。発達障害は決して珍しい症状ではないのですが、幼少期や学生時代では発覚しにくい傾向があります。
授業に集中できていなくても「勉強が苦手なだけ」、忘れ物が多くても「話をしっかり聞いていないだけ」と解釈されがちだからです。そのため、多くの発達障害がある人は、自覚がないまま就職活動を開始し、会社員になります。そして、職場で複雑な仕事を教わるうちに「自分が他の人とは違う」と気づくのです。
発達障害だとどんなミスをしてしまう?
発達障害は「自閉症」「学習障害」「注意力欠陥」などさまざまな症状があります。「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」によれば、職場で際立つ特徴として「整理ができない」「複数の仕事を同時進行でこなせない」などが挙げられます。
また、「言われたことをすぐ忘れる」「簡単な誤字脱字、計算間違いが相次ぐ」「同じ失敗が改善されない」といったミスも発達障害の可能性が大きいようです。発達障害について理解が進んでいなかった時代は、これらのミスに対して「やる気がないからだ」と批判する上司が多く、本人は苦しい思いをしてきました。
発達障害でも仕事をこなしていくために必要なこと
ささいな心がけで仕事ができるように
発達障害だからといって、必ずしも好きな仕事をあきらめたり、自分を低く見積もったりしなくてもいいと「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」は教えてくれます。
日々のささいな心がけで、仕事が上手くできるようになるケースも珍しくないからです。たとえば、どんなことでもメモを取る習慣を身につけましょう。そして、時系列順にして、すぐ見える場所に貼っておきます。メモを取って頻繁に確認するようにすれば、物忘れをする頻度が抑えられるからです。
役立つビジネススキルが満載
本書は、発達障害の人が会社で働くためのビジネススキルを詳しく教えてくれます。そのため、内容を実践しやすく、読んですぐに作業効率をアップさせることも可能なのです。
「パソコンの整理方法」などは、多くの人にとって参考になるでしょう。物事を整理するのが苦手な発達障害の人は、往々にしてデスクトップも見にくくしてしまいます。ファイルが乱雑に並び、どれが何に必要なのかも分かりづらくなってしまうのです。本書では、「ファイルにタイトルをつけるコツ」や「整理するときの注意点」などを順番に解説してくれます。苦手な分野を克服し、得意な分野に集中できる環境を作れば発達障害でも会社で活躍はできるでしょう。
会社で悩んでいる人の勇気になる一冊
発達障害が職場でのハンディキャップになるのは事実です。しかし、決定的な支障になるわけではありません。事実、発達障害でも多くの人は日常生活を問題なく過ごせていますし、得意分野も持っています。
つまり、苦手な作業さえ克服すれば、純粋な実力を発揮できるようになれるのです。「ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本」は発達障害に悩んでいる人の勇気になる本です。
また、会社で効率的に仕事をこなせず、「自分はダメな人間かもしれない」と落ち込んでいる人にも、問題解決のヒントを与えてくれるでしょう。発達障害は珍しい症状ではないので、まずは自分と向き合い、適切な解決法を探ることが肝心だと本書は伝えています。