ここが難しい!美容・健康記事を書く際のポイントと注意点

美容・健康記事の書き方

美容や健康は私たちにとって身近な問題です。それゆえに、初心者ライターでも執筆しやすいテーマのひとつとして知られています。実際、私も駆け出しの頃はこれらのテーマを中心にライティングを行っていました。

ところが、WELQ問題が世間を騒がせて以降、その認識は変わりつつあります。美容や健康の記事を書く際はより一層の注意深さが求められるようになったのです。そこで、具体的にどのようなポイントに気をつければよいのかについて解説をしていきます。

何よりも重要な情報の信頼性

WELQ問題では、信憑性の低い内容や著作権侵害の可能性がある記事が問題となりました。しかも、大きなインパクトがあったのは、それが医療系まとめサイトであった点です。

現代は多くの人がスマホやパソコンを所持しており、さまざまな情報をネットを通して気軽に収集できるようになっています。例えば、風邪をひいたときなどは「早く治す方法はないだろうか」とネットで検索して調べることも可能です。ところが、「風邪をひいたときは水風呂に入ればよい」などといった情報が掲載されていて本人がそれを信じてしまったらどうでしょうか。風邪が悪化して本格的に寝込んでしまいかねません。

これは極端な例ですが、よりもっともらしい嘘が書かれて入れば、それを信じて実行した人が健康や美容を害してしまう可能性があります。しかも、その情報の多くは別に相手をだまそうとしているわけではなく、単に書き手の知識不足、認識不足からくる悪意なき嘘です。そして、たちの悪いことに、そうした嘘の情報が半ば真実としてネット上に拡散している例も珍しくありません。

それゆえに、健康や美容の記事を執筆する際にはより一層の慎重さが求められるわけです。

まず、注意しなければならないのは、情報収集の方法です。執筆の際に参考にする情報は信頼度の高いものでなければなりません。素人の執筆した個人サイトなどは論外です。可能であれば官公庁が発表している公的な情報、次に医療関係サイトや専門書などといった専門家によって書かれたものを参考にするようにしましょう。もちろん、これは他のジャンルにもいえることですが、健康・美容に関する記事を書く際には特に慎重さが要求されるのです。

薬機法で禁じられている!効果を保証する表現

WELQ問題は私たちがweb記事のあり方を見直す契機になりましたが、それ以前からも健康・美容の記事を書く際には守るべきルールが存在していました。

その支柱となっているのが薬機法(旧称・薬事法)です。薬機法は医薬品等における不適切な宣伝を取り締まるための法律ですが、web記事もその対象となります。したがって、健康・美容の記事を書く際は、この法律で禁じられている表現は使用しないことが絶対条件になります。

具体的にどのようなものが禁じられているかというと、まず医薬品等の効果を保証する表現はNGです。

「これを毎日飲めば病気知らずです」、「3カ月で見違えるほどスリムになれます」などといった表現を用いると違法となるわけです。

化粧品の場合は「うるおいが感じられる」、「しっとりした感触」などの使用感を表す表現は大丈夫ですが、「シミ、そばかすが消える」、「シワが目立たなくなる」といったフレーズは医学的効果を謳っているのでNGとなります。

具体的な効果には言及していなくても「空前絶後の治療法」、「画期的な薬です」などといった最大級の賛辞と取れる表現も禁止されています。特に、タイトルや中見出しは、インパクトをつけようと思ってこのようなフレーズを使いがちなので注意が必要です。

意外な落とし穴!事実を書いてもNGなケース

一般的に考えて、プライバシーの侵害や守秘義務違反にならなければ、事実を書くのは問題がないような気がします。しかし、薬機法の中では必ずしもそうとは限りません。

例えば、たとえ事実であっても「この薬を飲んで長年悩んでいた持病が直りました」と健康・美容記事で語るのは違法となります。誰に対しても同じ効果があると誤解を与えかねないからです。

また、「多くの医者が推薦する健康法」、「○○先生推薦」といった影響力の強い個人や団体が支持をしているという表現も読者に先入観を与えるためにNGとなります。このように健康・美容に関する記事は多くの制約が課せられています。それゆえ、ライティングしづらいと思う方も多いでしょう。しかし、それが逆にチャンスになる場合もあります。

情報の集め方や薬機法のポイントを押さえ、「健康・美容ジャンルならおまかせ!」というライターを目指してみてはいかがでしょうか。

こぶたのまとめ

美容・健康記事を書く際の注意点

  • 情報は官公庁や専門家など、発信元の信頼度が高いものを使用する
  • 医薬品等は効果を保証したり、最大級の賛辞を送ったりする表現は使わない
  • 事実であっても医薬品等の体験談や影響力の強い人が推薦しているということを書くのはNG

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