Webライティングの精度を高めるために……誤用が多い日本語表現とは?

Webライターは日本語を操るプロフェッショナルとなる必要がある仕事です。堅苦しい文章ばかり書く必要はありませんが、少なくとも日本語本来の意味は的確に使用したいところです。また、口語体と文語体では微妙に言葉づかいが変わるため、友達と話すような感覚でライティングに取り組んでいると大きなミスを犯してしまうこともあります。
ここでは、ライターがやってしまいがちな日本語表現の誤りを具体例にして紹介していきます。
並列助詞を正しく使おう
まずは以下の例文を読んでみましょう。何も問題がないように見えますが、実は重大な間違いが隠されています。
ここで間違っているのは「たり」の用法です。並列助詞である「たり」は二回以上使って初めて意味をなす言葉です。正確に記すなら「モンゴル人横綱が数々の記録を作っています」と「たり」を省くか、「モンゴル人横綱が数々の記録を作ったり、人気を集めたりしています」と二つ以上の事象を並べるかする必要があります。「たり」は口癖になっている人も多いため、文章でも誤用するパターンが目立ちます。
言葉の意味を正しく覚えよう
続いての例文です。やはり、以下の文章には間違いが含まれています。
ここで間違っているのは「役不足」の使用法です。役不足とは「役割に対して実力が不足している」という意味ではありません。「実力に見合わない役割を担っている」という意味で、むしろ褒め言葉として使うべき言葉です。「役不足」のように、誤用が定番化している日本語には気をつけましょう。例文を修正するならば「新年の挨拶で取引先の代表と会うとき、中間管理職クラスの社員では不足だといえます」としたほうが無難です。
接続詞を使う際に気をつけること
以下の文章にも誤りがあります。
ここでは、「もしも」の後にくる文章が間違っています。「もしも」は仮定を表す接続詞なので、「ならば」、「れば」などの言葉とセットで使用されます。接続詞には、セットになっている表現があることもあるので気をつけましょう。ちなみにこの場合は「もしも願いが叶うならば」とするのが自然です。接続詞は適度に使うと文章を読みやすくしますが、誤用すると文章を混乱させるので注意しましょう。
文章表現に違和感がある理由とは
以下の文章には文法的な間違いはありません。しかし、どことなくリズムがおかしいと感じられるでしょう。
この文章では語尾が「です」しか使われていないのでリズムが狂っています。同じ語尾は三回以上続けて使用しないようにしましょう。文法上の間違いがなくても、読みにくい文章はWebライティングにおいてNGです。以下、修正文です。
こぶたのまとめ
よくある日本語表現の間違いは
- 「たり」の誤用
- 「役不足」などの間違った意味の常習化
- 接続詞の使い方
- 同じ語尾の連続
言葉の意味やリズムに気を使うようになるとWebライターとして成長できます。