地方で在宅ワークを行うということ~関西在住のライターの場合~

在宅ワークの魅力のひとつに地域格差がないことが挙げられます。例え、会社が東京にあったとしても、パソコンとネット環境さえあれば、地方に住む人間がその仕事を請け負うことができるのです。
しかし、在宅ワークだけで生計を立てていこうとした場合、住んでいる地域によっては考慮しておいた方がよいことがいくつかあります。

今回は関西在住の在宅ライターを例にとってそれを検証してみましょう。

在宅ライターのお財布事情と関西の物価

雑誌を中心とした紙媒体の世界で活躍するフリーライターの場合、1ページの記事で、5千円から2万円ほどの原稿料をもらうことができます。
しかし、それでも、ライターの仕事だけで食べていくのは簡単ではないのです。
そして、webサイトの記事を中心に扱う在宅ライターの報酬はそのフリーライターから言わせても安すぎるというレベルにあります。

もちろん、在宅ライターの仕事も悪いことだけではありません。仕事を得ることだけを考えれば、フリーライターより遥かに容易ですし、webの世界がより重視されるようになった昨今では、紙媒体並みの報酬が提示されるケースも散見されるようになりました。
しかし、少なくとも、在宅ライターをやり始めた当初は、よほどの才能に恵まれていない限り、まとまった額を稼ぐことは困難でしょう。この世界で食べていくためには粘り強く実績を積み、実力を磨く必要があります。

そうなると、考えなくてはならないのは生活費です。満足な収入が得られるようになるまでは、節約を心掛けねばなりません。その意味では、地方在住の人間は物価が安い分、東京の人間よりも有利だと言えます。
それでは、関西在住の場合はどうでしょうか?

ただ、関西とひと言でいっても地域によってかなりの差があります。大阪、京都は東京、神奈川に次ぐ物価の高さですが、奈良と滋賀は全国的に見ても安い方です。兵庫、和歌山辺りは高くもなく安くもないといった感じで、時に関西に分類されることもある三重は、物価の安さでは全国でもトップクラスに属します。

既に持ち家がある場合は別ですが、ひとりで賃貸マンションに住んでいる方であれば、より物価の安い地域を求めて近隣の地域に引っ越すという選択肢は十分検討に値するものです。長期的観点で見た場合、生活にかかるコストは、住んでいる場所によっては軽視できない差が生じます。

紙媒体で活躍するライターを目指すのであれば、東京在住が有利

どこに住んでいても、もらえる報酬の額は一緒ですから、今後ずっと、在宅ライターとしてやっていくつもりがあるのであれば、物価が安い地域に住むのが1番です。
しかし、もし、あなたが在宅ライターを続けながら紙媒体を主戦場とするフリーライターを目指しているのであれば、話は変わってきます。いくら大坂が東京に次ぐ大都市だといっても、大手出版社の数では圧倒的な開きがあります。そして、本格的にフリーライターを目指す場合は、編集と直接会って話が出来、人脈も築きやすい東京に住んでいる方がどうしても有利なのです。

しかし、大阪にも出版社がないわけではありません。あくまでも、webサイト上の仕事をメインだと考え、出来れば紙媒体の仕事にも手を伸ばしたいという程度ならば、関西在住でも十分だとも言えるでしょう。どちらにせよ、どうするかを決める前に、自分が何を目指したいのかを頭の中で明確にしておくことが大切です。

経験豊富なフリーライターに対抗するための武器を身につけよう

実際、在宅ライターをしながら紙媒体のフリーライターに憧れている人は少なくないでしょうが、現実では逆の現象が起きています。webサイトの記事を書く仕事に紙媒体専門だったフリーライターが進出してきているのです。出版不況によって雑誌が売れなくなり、仕事が減ってきているのがその原因だと考えられます。

こうなると考えなくてはいけないのが、在宅ライターしか経験のない人たちです。
記事の質を問われた場合、百戦錬磨のフリーライターとまともに競合するのは分が悪いと言わざるを得ません。

そこで、勝負の鍵になるのは自分の武器をもっているかどうかです。得意分野を磨くこともそうですが、関西在住のライターであれば、日頃から地域情報にアンテナを張り巡らせ、地域色の強い記事を書けるようにしておくのも立派な生き残り戦略です。関西のグルメ、関西の名所、関西の住宅事情などに通じていれば、それは東京在住のフリーライターにはない大きな強みとなるでしょう。

住んでいる地域が自分の仕事に及ぼす影響について考えてみよう

今回は関西在住の在宅ライターを例に挙げましたが、住んでいる地域が少なからず仕事に影響を与えるという点では、他の地に住む在宅ワーカーも一緒です。
その地域に住んでいることの強みや弱みを今一度見直してみましょう。
きっと、よりよく仕事をする方法や改善すべき点などが見つかるはずです。

この記事をシェアする

みんなの感想文

この記事は役立ちましたか?
はい・・・9人 / いいえ・・・1人
  • 私も地方に住んでいて、在宅ライターとして生計を立てたいと思っていますが、地方で仕事をする事のメリット、デメリットがよく分かり、大変参考になりました。また、地方でライターとして生き残る為には、その地域の情報に精通しておくべきだという考え方も説得力があります。
  • パソコン一台で在宅でできるライターの仕事は地域格差がなく、誰でもどこに住んでいても仕事ができるというメリットは魅力ですが、その仕事で生活費を補うとなると物価の安い地方に住む方が生活費を安く抑えられる反面、本格的なライターの仕事を得たいなら大都市でないとチャンスがないという事がよくわかりました。在宅ライターの仕事でどれだけ稼ぎたいのか、自分の目的をはっきりさせる事が重要だと感じました。
  • 私も地方出身なので、ライターとして働く上で地方と東京のメリット、デメリットを比較しているのはとても興味深かったです。また自分が住んでいる地域の情報に日頃からアンテナを巡らせて情報収集をするというのも実際的なアドバイスで、とても参考になりました!
  • 私も関西に住んでいるので、あるあると思う事が多かったです。ライターの仕事でも、関西に住んでいる事を活かせるという事が分かりました。今までこういった仕事はした事がなかったですが、チャレンジしてみようかなという気になりました。
  • 紙媒体で活躍しているフリーライターが、webサイトの記事に進出していることに驚きました。フリーライターの方々に負けないために、表現力や自分の強みを伸ばしていかなければ、と思いました。また、情報収集についても精力的に取り組む必要性があると感じました。
  • 私はまだライティングを初めて間もなく、少しおこずかい稼ぎが出来ればと思っている程度です。だから、紙媒体のフリーライターを目指す足掛かりとしては考えていませんでした。しかし、そういう道もあるんですね。ただ、自分の住んでいる地域の強みや弱みについて考え、ライターとしての仕事のやり方を改善していきたいと思いました。
  • フリーライターという型にはまりたいのか、もっとライフワークを見つけて洗いざらい他者に説明できるようになりたいのかで違ってきますが、理想は時間がたっぷりあることで、そこからご当地情報含む良い記事が書ける余裕ができて、学生や主婦にもオススメな理由になってきます。1ジャンルで食べていけるならば企業に就職するのも手です。
  • 関西に住んでいるよりも東京に住んでいた方が有利にライターの仕事が出来るのだということを知りました。事務所として使えるようなマンションに引っ越してライターの仕事を初めて見るのも良いなと思います。どうせ稼ぐなら環境を整えることも大切だなと感じました。
  • 地方在住から、仕事の厳しさについてはいつも実感しています。ただ、今回の記事の方は関西在住ですから、東北地方、九州地方の方々にはあまり参考にならないかもしれない、と思いました。仕事の量がまだまだ多いと思います。それから、写真は道頓堀のようですが、地方と言うより、都会のイメージが強いです。
  • 東京に住んでいますが、紙媒体のライターさんの聖地だとは思っていませんでした。在宅ワークの案件にプロの方も紛れてるんだろうなぁ、私のライティングじゃ物足りないだろうなぁとは思っていましたが、その通りになりそうで怖いなぁと思いました。もう少し自分の文章に磨きをかけたいものです。
ページトップへ戻る