ド素人がライターになるまでに実践した文章力磨きの方法

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手紙やレポートを書きながら「もう少し文章力があったらいいのに」などと思ったことはありませんか。書き始めてすぐにつまずいたり、途中で筆が進まなくなったりすると、つい弱気になって、自分に能力がないから書けないのだと思ってしまいがちです。

しかし、文章力など生まれつき備わっている力ではありません。どんなに名文を書く文豪でも、文章力は生まれたあとに身に付いたもののはずです。ですから、自分には生まれつき才能がないように感じて落ち込む必要はありません。

今はライターとして活躍している人たちも、最初から上手な文章を書けていたわけではないでしょう。もちろん、今こうやって偉そうな文章を書いている私にも、ド素人の時代がありました。

そんな時代を通ってきたからこそ、今大きな声で言えることがあります。「やることさえやれば、誰でも相手に伝わる文章は書けるようになる」と。そこで、自分がどうやって文章力を身に付けてきたかを振り返りつつ、初心者に役立ちそうな方法をお話ししようと思います。

まずは求める文章力の中身を知ろう

「自分には文章力がない」といいながら、自分が求める文章力の中身を問われるとはっきり答えられない人が案外多いのではないでしょうか。それはおそらく、文章力のなさに悩む人ほど、それなりの文章が書けているからだと思います。

まったく文章を書けないなら、「どうやったら文章が書けるのかな」という疑問になるはずです。それなのに、「文章力の不足」を感じて悩んでいるのですから、もともと書く能力は持っているということでしょう。そのうえで、何かパワーアップを求めているのだと私は思います。

では、改めて「文章力」とは何なのでしょうか。私は、他人に自分の考えが伝わるように書くための総合的な能力だと解釈しています。たとえば、私の解釈では、読み手がどんな人なのかを想像する力も文章力の一部です。
同じことを伝える場合でも、読み手によって理解力が異なり、興味を引く部分も違うからです。

「どんな切り口で、どういう表現を使って相手に伝えるか」を考えることは、伝わる文章を書くうえで欠かせないことだと思います。文章力は、学校で勉強する文法そのものではなく、その上に積み重ねるようなものなのでしょう。

「文章力がない」「文章力が足りない」と感じるのは、総合的な能力のうち何かが不足していることに気付いた状態なのだと思います。ですから、足りないものが何なのかということに気付いたときには、文章力は数段アップするはずです。

せっかく文章力の不足を感じたのであれば、自分に足りない力が何なのかを知り、パワーアップする方法を見つけましょう。これから紹介する、私の体験談のなかに、そのためのヒントがあれば幸いです。

材料をチョイスして文章に組み立てる練習

私は幼稚園時代からやたらと大量に本を読み漁る子供でした。北海道の雪深い中で幼少期を過ごしたからかもしれません。北海道は夏が終わったと思ったらすぐに雪が降り始めて、速い時間から暗くなります。

これは決して大げさな話ではなく、昔は今の北海道よりも寒かったのです。当時は10月半ばから雪が降り始め、雪が解けるのは4月に入ってからでした。こんな環境でしたから、雪が積もっている季節は外で遊べる時間が限られます。おかげで、図書館で大量に本を借りてきて読むという習慣が自然とできました。

そのような習慣は、東京に引っ越してからも続きます。小学生時代は学校の図書室と区内の2つの図書館から毎週貸出上限まで本を借りてきて読むという状態でした。とはいっても、家の中で静かに本を読んで過ごすようなおとなしい子供だったわけではありません。晴れていれば男の子に混じって野球やドッジボールをしていました。

ですから、今思うといつあれだけ大量の本を読んでいたのか不思議に思うくらいです。それでも、きっと毎日やりたいことがあり過ぎたのでしょう。必要に迫られたことが、時間配分のやり方を身に付けるきっかけになったのだと思います。

そんなどちらかというとインプット専門の生活を送っていた私が、アウトプットを始めたのが小学校5年生のころです。私がライターになるきっかけとも言える出来事がこの時期にはたくさんありました。5、6年生のときの担任の先生にいろいろ鍛えられたのです。

まず、新聞記事の中から自分が気になった記事を1つ選び出して切り抜き、内容を要約したうえで自分の意見を添えて発表するということをさせられました。

中学校などで授業中に同じようなことをやった経験があるという人は他にもいるかもしれません。しかし、私のクラスでは2年間ずっと繰り返してやっていました。しかも、発表の時間は毎日の給食時間です。1日に1班ずつ当たるというものだったため、やたらと何回も発表が回ってきたという記憶があります。

この発表はただ読んで終わりではありません。毎回A+からE-まで発表した文章に評価が下されるのです。負けず嫌いの私は、辛口評価の先生をギャフンと言わせてA+をつけてもらうために、どんな記事を選び、要約にどれくらいのスペースを割き、自分の意見をどのようにまとめるかを毎回必死になって考えていました。

ついでに、5、6年生の頃は読書感想文も年間200ほど書かされました。と言っても、こちらに関しては200も書いたのは私だけです。自分が読んだ本を、読んだことのない先生にもわかるように要約し、先生を唸らせるような感想文を書いたら本の形のシールをもらえるというシステムになっていました。

ですから、先生の作戦にまんまと乗せられてしまっただけの話なのです。もともと大量に本を読んでいたので、私にとって本を読むこと自体は苦ではありません。それよりも、誰かに自分の読んだ本の魅力を紹介できるのがうれしくてたまりませんでした。

小学生だった私は、ただ単に先生を唸らせたい一心で書いていただけなのですが、この2年間の特訓のおかげで「作文だけは得意な子供」になりました。ですから、新聞や本の中から好きなものを選んで、その内容を要約して自分の意見を加えるという作業は取り組んでみる価値があると思います。

書いた文章を家族や友人などに読んでもらうようにすると、読み手に伝わるかどうかも確認できます。ただし、その際は、できるだけ厳しい意見を言ってくれる人を選ぶのがおすすめです。

1つの事柄をいろいろなキャラクターになり切って書いてみる

私にはかつて童話作家をしていた時期があります。1冊だけですが本を出し、ラジオ番組の朗読劇もいくつか書いていました。
当時の私がどのようにしてストーリーを作っていたかを思い出してみると、どんな話を書くかではなく、どんなキャラクターを動かすかを考えていたようにしか思えません。とにかく、話をどのように進めるかを考えるのではなく、時間をかけて感情移入できそうなキャラクターを作っていました。

性別や性格だけでなく、どこで生まれてどのように生きてきたキャラクターなのかということを決めてしまわないと書けないのです。実際の話に出てこないところの設定が私にとってはとても重要でした。

キャラクターが出来上がったら、それぞれのキャラクターになりきって、話の中で動き回ってみます。キャラクター同士に自由に話をさせていれば、自然に次の展開が見えてきて、ストーリーになっていくからです。キャラクターが3人いれば3通りの話が出来上がります。どの方向から見た話がいちばんおもしろいかを考えて、最終的にまとめるという形で話を書いていました。

実は、私が最初の童話を書いたのは小学生5年生のときです。教科書に載っているへんてこな島の地図を見ながら話を作るという国語の授業中のことでした。しかし、その後も書き続けているのは、先ほど登場した小学校5、6年生のときの担任の先生がいたからです。

またしても先生の作戦にはめられてしまいました。といっても、読書感想文のときと同様、乗せられたのは私だけだったと思います。

今考えると、先生も大人げないと思います。小学生相手に、自分がおもしろくないと思ったら、そこで読むのをストップさせていました。自分が発表しろと言ったにもかかわらずです。それがわかっているから、短い話だけしか書かないという子もいましたが、私は意地になって原稿用紙20枚以上の大作を書いて挑みました。

絶対に最後まで読ませてもらえる作品を書こうと必死になったのはこのときが最初です。おかげで最後まで読ませてもらったうえに、6年生のときには、その物語を卒業生が小学校に残す紙芝居にしてもらえました。それ以来、書くことがおもしろくなっていったのを覚えています。

それ以降、少しでも時間があると、昔話や漫画のキャラクターになりきって、この場面で一言言うならどんなセリフを言うか、この場面で手紙を書いたら何と書くかといった遊びを繰り返していました。それがだんだん長文化していったものが作品になっていったのです。

このやり方は、それから十数年後、ある童話作家の教室で出された課題と同じでした。昔話の敵キャラが、ヒーローに対してどんな手紙を書くかという内容です。これには驚きました。

実は、このような「キャラクターになりきって書く」という作業は、Webライターになってからも、私が仕事として行っている書き方のひとつです。「20代のショップ店員になりきって○○について書く」「50代の男性になりきって××について書く」などといった依頼はかなり多く、女優並みに多くの役を演じてきたと言えるかもしれません。

自分以外の人になりきって書くというのはおもしろいもので、視点も興味があるものも変わり、言葉の選び方や文章のまとめ方も違ってきます。ですから、ひとつのテーマについていろいろな人になりきって書くという練習をしてみると、異なった切り口から文章を書くことができるようになるはずです。

「読み手を意識した文章を書く」というと難しく感じられるかもしれませんが、読む側の人になりきって書けば、何に興味があって、どのようなことが知りたいかが意外と簡単にわかります。自分の側の視点を変えてみることで、相手が求める文章も書きやすくなるものなのです。

1つのことを20通りに書く練習は実戦向き!

ここまでに紹介したことは、文章力を高めるために自分から何かをやったこととは言えないかもしれません。自分で身に付けたというよりは、過去の経験から偶然身に付いたことだからです。

しかし、こんな私でも、Webライターになってから文章力を磨くために必死にやってみたことがあります。それが、1つのことを20通り以上に書くという練習です。

Webライターを始めたばかりの頃は、今とは異なりたくさんのサイトに登録して仕事をいただいていました。その環境だと、季節ネタや流行ネタに関しては、同時に何カ所からも同じテーマで依頼が来ます。一年中掲載されているように見えても、ライターに依頼が来るときは、時季的に同じようなタイミングに集中するのです。

そういうとき、表現方法が乏しいと大変なことになってしまいます。同じ人が書く文章ですから、どうしても似てしまうからです。テーマやキーワードが同じで、しかも文字数も少ないとなると、テイストが似ているためコピペまで疑われてしまいます。

ライターを長く続けるとなると、翌年もその翌年も同じテーマの依頼が来るのですから、このままではまずいと真剣に思いました。そこで「その日の天気について20通りの表現で文章を書いてみよう」とか「テレビに出ている俳優さんについて20通りの紹介文を書いてみよう」とか、そういう練習をしてみたのです。

実際、この方法で練習したおかげで、長くライターを続けられていると思っています。今やキーワードを入れて検索をすると、自分が書いた文章がやたらと出てくるからです。

参考文献を挙げなければならないときなど、自分の書いたサイトのURLを貼ってもよいものか迷うことがしょっちゅうあります。検索上位に上がってくる文章を書いてナンボの商売ですから、自分の文章に邪魔されるのは光栄なのかもしれませんが、正直大変です。

きっと、ライターを少し続けていくと、Web上に同じような文章があるから、書き直せといわれることが出てくると思います。そのようなときに困らないように、いろいろな表現の仕方を身に付けておくことはとても大事です。

また、同じテーマをいろいろな表現に書き換えられるようにすることは、ライターの仕事をするときだけでなく、普段でも役に立ちます。

手紙を書くとき、書き出しが毎回同じではおもしろくありませんよね。まずはお中元やお歳暮をもらったときのお礼状を、20通りの書き方で書いてみてはいかがでしょうか。20通りの文章を書き切ったときには、文章力にも自信が付いているはずです。

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みんなの感想文

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  • キャラクターになりきって文章を書いてみるというのが面白かったですね。視点が変わるだけで文章の雰囲気も変わってきますよね。相手ありきでかけそうなので、文章の幅が広がりそうだなと思いました。初心者以外でも参考になります。
  • この記事を読んで、ライターになるには色々な努力をしなければならないことがよく分かりました。特にビックリしたのが「1つのことを20通りに書く練習」です。そんなことが自分にできるか分かりませんが、私も練習してみたくなりました。
  • 文章力を上げるには、とにかく書くことだというのがよくわかりました。とくに、読む人の立場そして書く人のキャラクターになりきって記述する大切さを改めて理解できました。そして、表現力という意味で、同じテーマで20パターン書く練習をするのは効果的だと思い、自分も実践してみようと思う内容でした。
  • 初心者の文章力の磨き方について、役立ちそうな方法がいくつかあり、とても参考になりました。それは1つのテーマのことを20通りに書く、練習をして勉強することです。最新の流行や美容系など色々な表現の仕方で、新たなオリジナリティを出せます。
  • ある程度文章を書いていると、自分の文章がパターン化している事に気付きます。文章の中で同じ表現を何度も使っているのを見つけては修正する、といった事を繰り返していました。同じことを20通りで書いてみる、というのは目から鱗が落ちた思いです!さっそく実践してみたいと思います!
  • 同じような文章を何回も書いていると当然不採用となってしまうので、バリエーションをつけるためにも1つの内容を角度を変えて書く練習は私も取り入れたいと思っています。また、文章の書き方というのはこれまで習ってこなかったので、読み手のことを考えた内容の文を今後は書きたいです。
  • 私自身は日々レポートを書いていることを生かせたらと思いやっていますが、素人でもライターとして上達していくことができるということの自信に繋がりました。自分以外の人に成りきって書くというのも楽しそうで実践していきたいです。
  • 同じテーマに対して、様々な方向からアクションを試みる方法、とても勉強になります。私も小さい頃から文章を書くことは得意な方でしたが、著者さん程ではありません。読み手が何を欲しているかを今一度考えて、独りよがりな文章にならないように気を付けたいと思います。
  • ヘンテコな島の地図からお話を作って発表する授業は私も小学生の時にやりました。言われてみれば、あれも文章を書く訓練になりますよね。この方はとても努力家で頭が下がる思いですが、確かに名文を書く為に必要なのは努力と訓練、他人からの批評だと思いました。こちらに書かれている訓練内容は正直ハードルが高そうですが、承認率を上げる為にも少しずつやってみようかなあと思います。
  • 私も自分の文章力のなさにたまに落ち込んだりします。ただライティングん仕事を始めて、少しずつですがコツをつかんできましたね。それにしても「一つの事を20通り書く」というのはかなり大変そうですが、文章力がぐっと上がりそうですね!
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